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またも、緊張するいちご。
やっぱり恥ずかしい。
二人が歩き出そうとした時、いちごの携帯が鳴った。
「あっ、携帯」
いちごはスルリと手を離し、携帯を開く。
「メール、鈴ちゃんから」
受信ボックスを開く。
メールには、"どこに居るの?!(>_<)"と書かれていた。
いちごは、それを見て、改めて鈴ちゃん達を置いてきてしまったことを悩む。
第一、爽くんも迷惑がっているはずだ。
「翔くん、みんなのトコ、戻っ……」
翔くんを見上げると、誰かと電話をしていた。
「あぁ、よろしくな」
相手は、わからないけど、何と無く男の子のような気がした。
「じゃあな」
翔くんは電話を切ると、あたしを見た。
「…あの」
「みんななら、大丈夫だぜ?爽に頼んだ」
あたしの言いたい事を見通して答えられた。
貴方は超能力者ですか?!
「頼んだって?」
今の電話は、爽くんだったのかな?
「あぁ。七瀬達に、いちごは途中解散って事にして貰った」
「とっ…途中解散?!」
話ながら適当に歩っていたら、いつのまにかエレベーターの前まで来ていた。
翔くんは上に行く矢印を押す。
「ああ。俺が付き合わせてるってな」
「それは、本当の事じゃっ…ひぃ」
本当の事じゃんと言いたかったが、ジロリと睨まれ、思わず黙る。
すると、丁度エレベーターが着き、あたし達は乗り込む。
誰も居ないエレベーター。
なんだかキンチョーする。
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