3:買い物

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服を選び始めて、1時間ちょっとくらい経った。 「これは?」 今見せているのは、赤ドットのスカート。 「うーん。まぁ、悪くねえけど……」 あんまり、気に入ったような顔をしない翔くん。 あたしって、センスないのかなぁ? 「いちごはさぁ、流行りものを取り入れ過ぎなんだよ。」 「え?」 「みんなと全部一緒過ぎるのは、好まねぇな多分」 流行りもの過ぎ… 確かに自分でもそう思うくらい、流行りものが大好きである。 ちょっと違ったもの。 そうは思ったが、やはり目が行くのは、そういうもの。 ………その時 「あっ…これ優衣ちゃんに似合いそう………」 思わず手に取ったのは、真っ白なポンチョ。 胸元には、茶色のリボンとフリルがあしらわれている。 「確かに、優衣ちゃん似合いそうだな。」 少し長めなものだから、ショートパンツより、スカートの方が合うかもなぁ。 結局あたしは、そのポンチョとベージュのペチパンを購入した。 「喜んでくれるかなぁ?」 独り言のように言ったつもりだったが、翔くんから「きっと喜ぶよ」と返答があった。 その服をラッピングして貰っていると、翔くんも何やら服を見ていた。 そういえば、何かお礼しないとな。 何だかんだ付き合わせてしまった。 「翔くん!」 ラッピングされた服を持ち、足早に翔くんに近寄る。 「ん?買えたのか」 こちらを振り返ると、あたしの持っている袋を確認して歩きだそうとする翔くん。
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