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それについていきながら翔くんを見る。
「なんだよ、さきから」
「え?」
翔くんの言葉の意味が分からず首を傾げる。
「ジッと見てる。まだ何かあるのか?」
立ち止まり、あたしと向き合う。
「ううん、違うよ?お礼しないとなって思っただけ
「お礼?」
「うん。だって、散々付き合わせちゃったんだもん、それくらいしないと!」
いちごは満面の笑みを浮かべた。
「別にいいよ、そんなの」
「ダメなの!あたしの気が収まらない」
翔くんは、その言葉にため息をついた。
めんどくさかったかな?
いちごが不安になっているのを余所に、翔は口角の片方を上げた。
「お礼、俺がオーダーしてもいい?」
「え?いいけど…」
いちごは、キョトンとして翔を見詰めた。
「じゃぁ、今日1日、俺の言うことを聞く、って事で」
「はぁ?!」
予想外の提案に思わず言葉を失ういちご。
てゆーか、言うこと聞くって何!?
「じゃあ、1つ目。俺と手を繋ぐ」
意味が分からず俯いていると、手を握られる。
「しょっ…翔くん///」
恥ずかしくて、手を離して貰おうとするが拒まれる。
「今日は、お前は俺の言いなりなの。だから離すなんて、許さない。」
満足そうに笑顔を見せる翔くんにますます赤面する。
そのままあたし達は、目の前のお店に入る。
アクセサリーショップだ。
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