3:買い物

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シルバーアクセはいつ見ても綺麗だ。 いちごは、キラキラした目でアクセサリーを見る。 「これがいいな」 不意に、翔くんがあるアクセサリーを指差す。 それは、あたしがかわいいと思った小さなハートとピンク色のストーンが付いたネックレス。 誰にあげるのかな? もしかして、彼女…? 胸に突き刺さるこの思いは…何? 「いちご、これどう思う?」 「え?」 「このネックレス。かわいい?」 あたしは笑顔と頷きを翔くんに送った。 翔くんは、そのネックレスを購入。 次に向かったのは、あたしもよく買う服のブランド。 一体、なんで来たんだろう? そこでまず、翔くんは洋服を見物しだす。 「翔くん、誰かへのプレゼント?」 気になりすぎて、つい聞いてしまった。 「…んー、まぁね」 ドクンッ 何だろう。 やっぱり胸が痛い。 そんな話をしていると、翔くんがワンピースを見せてくる。 それは、白を貴重としているキャミワンピで、シフォン生地で出来ている。 胸元には、薄ピンク色の縛る式のリボンがついている。 「わぁ可愛らしい!」 思わず、そう言ってしまうほど、あたしの好きなデザインだ。 でも… そんなかわいいのを、一体誰にあげるの? あたしの心の中は、どんどんブルーに染まっていく気がした。 「どうした?」 気が付くと、翔くんがあたしの顔を覗いていた。 「きゃぁっ///」 弱々しくも、翔を突き放す。 「なんだよ、ボーッとして。具合悪い?」 あ… あたしを気遣ってくれたんだ。 あたしは、首を横に振り、笑顔を見せた。
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