3:買い物

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そんないちごを見て、少しバツが悪そうに笑う翔。 「翔くん?」 「いや、付き合わせて悪かったなって思った」 翔は、「とりあえず買い物はすんだ」と、いちごに伝え、座るためにハンバーガーショップに足を運んだ。 「いらっしゃいませー。ただ今ポテト全サイズ150円でオススメとなっております。御注文をどうぞー」 元気なお姉さんの笑顔を受けながら、翔くんとメニューを見る。 「いちご、何食べたい?」 翔くんに尋ねられ、少し焦りながらメニューを見る。 こういう時、油っぽいものとか食べると、女の子らしくないとか思われるのかなぁ?! そしたらポテトは、ダメだよね? でも、バーガー系はお昼食べたからいらないし…。 どうしよう?! 「俺、ポテトとジュースかなぁ。」 ジュース… そっか!! ジュースにしようっ いちごの一人会議は終了し、オレンジジュースを頼む。 そして、かばんから財布を出そうとすると、既に会計は済まされようとしていた。 何故? ふと、翔くんの方を見ると、財布をしまっている姿。 しまった!!! 翔くんが払ってくれたんだ!! あたしはすぐに、財布から100円を取り出す。 「翔くんいいよ、ごめんね!!はい、お金」 カレカノでもないのに、奢って貰うなんて、お金目的とか思われちゃうのかなぁ!? そんな不安をいちごは抱く。 しかし、翔がそんな事思うはずもなく。 「いいよ、100円くらい。女の子にお金出して貰うとか嫌だし」 と、笑顔をいちごに向けた。 一回では引かなかったいちごも、受け取って貰えない100円をしまいながら、笑顔でお礼を言った。
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