3:買い物

22/22
前へ
/53ページ
次へ
いちごは席に座ると、何だかさっきまで一緒に買い物していたとは、思えない程緊張していた。 「はい、オレンジジュース」 翔くんからジュースを受け取る。 あー……… 男の人と二人っきりで ○ックって、かなりの緊張物だよぉ。 「いちご、これ」 あたしが緊張していると、翔くんに、さっきまで買っていた服やらアクセサリーが入った袋を目の前に出される。 「………え?」 何? どうすればいいの? それは、誰かへのプレゼントなんでしょう? あたしは、手を出さずにただ固まる。 「これさ、いちごにって買ってたんだよ」 「えっ?!彼女へじゃないの?」 目を真ん丸にして驚く姿は、翔の想像どうりで、それでいて、可愛い。 「彼女居ないし。ハイ」 ちょっと拗ねた顔をしたあと、再び笑顔を見せる。 そして、その太陽のような眩しい笑顔のまま、「貰って?」と袋を出す。 「あっ……ありがとう///」 いちごは翔から袋を受け取ると、大事に抱きしめた。 その時、翔が目を逸らしたのをいちごは見ていなかった。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加