4:中間テスト

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ピピピッ ピピピッ 「………ん、んー…」 寝返りを打ちながら、目覚まし時計に手を伸ばす。 アラームを止め、再び眠りに入りそうになった時、今日の日付を思い出して覚醒した。 今日から中間テストだ。 いつもより1時間早く登校しようと、翔くんに言われたため、いちごはいつもより早めに起きた。 今日の教科である、国語と理科の準備に忘れ物が無いことを確認する。 高校初めての定期テスト。 いちごの心は、なんだか緊張しているようだ。 その反面、翔と勉強をしたという、安堵感に似たような気持ちも抱いていた。 きっと大丈夫。 何故か沸いて来る自信。 「さてと!朝ごはんッ」 いちごは机から振り返り、部屋を出ようとした。 その時、偶然目に入った物。 それは、何故か見えるところに掛けてしまった、翔からのプレゼントであるワンピース。 初めて、男の人から貰ったプレゼント。 鈴ちゃんや優衣ちゃんならともかく、あずみにさえ伝えていない秘密のプレゼント。 特に隠す意味は無いのだろうが。 何と無く言いたくない。 いちごは、それに近付き、そっとワンピースを抱きしめた。 いちごにとって、このワンピースは、何だか安心するのだ。 「っよし!頑張る!!」 いちごは、気合いたっぷりに部屋を出た。 そして、朝ご飯のヨーグルトを食べていると、インターホンが流れた。 「ん?誰?」 いちごは恐る恐る玄関を開ける。 するとそこには。 「やっほ♪」 「え?!なんで?!」
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