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「鈴ちゃん……」
なんで?
なんで鈴ちゃんがいるの?
第一、反対方向だよ?
あたしはイロイロ考えるが、全く分からない。
鈴はそんなキョドるいちごを見て微笑む。
「まぁまぁ、そんなキョドるなよぉ!ただたんに、いちごとお話がしたかっただけだからぁ♪」
「お話…?」
「そぉっ」
そう言って、学校まで一緒に登校するあたし達。
「ねぇ、いちご。好きな人いるの?」
急にそんな事を聞かれ思わず転びそうになる。
そんなあたしを見て、少し冷めた鈴ちゃんの声が届く。
「いるんだ」
「いっいないよーっ!なんで?」
どこをみたら、あたしにそんな人がいるように見えるのだろうか?
「鈴は、いるよ」
「…え」
靴箱からシューズを取り出した瞬間に耳に届いた言葉。
鈴ちゃんは、何もなかったかのように朝練へ向かう。
何…?
なんであたしにそんな事、言うの?
普通なら応援だってするけど、何故か鈴ちゃんからは、敵対心が伝わってきた。
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