始まり

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どこかの部屋。そこには簡易的なベッドがあり、小さな冷蔵庫が一つ、そしてベッドの上に男が一人、倒れていた。 「う……うぅ。ココは……」 男は立ち上がり、周りを見る。そこは見たことのない部屋だった。 携帯も無い、財布も無い、男の持ち物で唯一、あったのは男がいつも掛けていた眼鏡だけだった。 「いったいココは……まずは記憶を辿ってみるか……」  男の名前は二階堂郁美。高校生2年生、彼女はいない。超筋力を持つスーパーマンでもないし、超頭脳を持つ天才でも、超能力を持つサイキッカーでもない。何処にでもいる普通の少年だ。  郁美は一つ、一つ、自身の身に何が起こったのか、思い出していった。 「確か、昨日は徳二の奴とゲーセン行って、その後は美奈と合流して飯食った……。こんくらいしか思いつかないけど、別に関係ないよな……はぁ」  昨日が駄目なら、一昨日の事を思い出してみようと思い、一昨日の事を思い出してみるが、収穫などなかった。 「とりあえず、この部屋を調べれば、何か分かるかもしれん。やってみるか」
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