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「この車って、あいつが20歳の誕生日に親父さんが買ってくれたものなんだって。
その直後に亡くなっちゃったから形見になったって言ってた」
「そうだったんだ…」
「よく考えたらさ、そんな大事な車、借りてよかったのかな?」
「何を今さら」
吹き出した私にぴーすけは大真面目に続ける。
「形見で高級車だぞ?」
「……」
確かに。
そんな大事な車をポンと貸してしまえるシンタさんってどれだけ好い人なんだろう?
「…ぴーすけ。
安全運転でいこう」
「おう」
ぴーすけは、真っ直ぐ視線を前に向けて頷いた。
それからは、いつも通りの他愛ない会話を交わしながらドライブは順調に進んでいった。
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