20・はじめてのドライブ

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「急に実家に連れていったりしないよ?」 「へっ?…いやっ、あの…」 私の緊張を言い当てたぴーすけに面喰らいながら私は両手をバタバタと振る。 「いつかは来てもらうけど、今日のところは、ね。 これから行くのは水戸じゃなくて隣町」 ―――いつかは来てもらう その一言に心臓が大きく跳ね上がったけど、私は気付かないフリをして 「隣町?」 「そ。俺の地元で一番よく行った場所。 俺にとって大事な場所でウメとゆっくり話したいと思ってさ。 昨日の続きとか、 …春花のこと、とか」 春花のこと、とか…。 その名前には、何て返したらいいのか分からず 「うん…」 とだけ頷いて、私は車窓からの景色に目を向けた。 ぴーすけの大事な場所。 何となく、行き先が見えてきたような気がした。
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