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さらに進んで、信号待ちで停止したすぐ脇の料亭の店先には、グロテスクな黒い魚が吊られていた。
「あれって…」
「アンコウ。食べたことある?」
目を丸くしたまま首を振る私にぴーすけが教えてくれた。
「アンコウってボヨンボヨンしてるからああやって吊るして、水をたくさんお腹に入れて脹らませてから捌くんだ。
見た目はあんなだけど、高級魚だからね?
味は美味いよ。
今度、美味しいアンコウ鍋食べさせてあげる」
「うん…。
でも、かわいそうだね。
あの姿…」
ぴーすけはアンコウから目を離せない私に優しく微笑みながら、頭をポンポンと叩いてくれた。
そして、さらに少し走った海に面した駐車場に車は停まった。
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