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「今のはぴーすけが驚かすからでしょうが…」
小さく頬を膨らましながら右手を頭にやると手に触れたのは柔らかい毛糸の帽子…?
「かわいー…」
そのままの姿勢で車のサイドミラーに自分を映すと、私の頭には大きなボンボンがついた白い毛糸の帽子がのっていた。
「今朝買いに行ったからゆっくり選んであげられなかったけど、白ならどんな服装にも合うかなと思って。
それに俺ともペアになるでしょ?」
ぴーすけは、得意気な笑顔と共に昨日私があげたマフラーを取り出し、自分の首に巻くと「あったけー」と言った。
「わざわざ買ってきてくれたんだ…。ありがと」
頭を下げた私に微笑みながら
「海風で風邪引かせるわけにはいかないからね。
じゃ、下に行ってみよっか」
と、ぴーすけは砂浜に下りる階段を指差した。
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