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物語の舞台は、天災から五年後の西暦2017年。
生き残った人々は、あの悪夢の天災以降、進化した少数の新人類達の知恵を使い、最悪の状況からなんとか復興し始める。なんとか津波から逃れたものの、壊滅状態だった都市は、天災以前の状態に徐々に戻りつつあった。
11月の夜のイギリス、そこでサングラスをかけ、黒いスーツを着た二人組の男に、追われている女がいた。
「ハッ、ハッ、ハッ………。」
一瞬後ろを振り返る女。ずっと逃げ続けているようで、息は上がり、汗をかき、かなり疲労している。
「クッ、ここで捕まるわけには。」
必死に逃げる女、その女に銃をむけながら追いかける二人組の男、その中の背の低い男が女に向かって叫ぶ。
「いつまで逃げるつもりだ?素直にあの方のために生きていればいいものを。」
女は、顔を歪めながら振り向くと、右手に何か力を集中させる。ある程度まで力をためたが、途中で力を緩めた。
「ハッ!」
女は、手から藍色の光球を放った。光球は、二人の手前に落ちて爆発した。さっき途中で威力を弱めたようだが、かなり破壊力がある。男達は煙を払いながら、爆発の中を走り抜けてくる。
「グッ、このアマ。」
追っている2人の中の長身の男が、光球の爆発した方を見て言った。今の攻撃を受け、背の低い男はやむを得ないと思い、目でサインを送った。そのサインに、背の高い男はうなずく。二人は同時に、拳銃のセイフティーを外した。
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