3人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
だだっ広い砂漠に、アスファルトの道路が一本まっすぐに続いている。
その道の真ん中を一台の車が砂埃をあげて走っていた
中には男が二人乗っている。
どちらも年齢は20代始めくらいだ
車を動かしている方の男は長髪で大人しそうな印象がある
助手席には長髪の男にくらべると短めの髪の男が乗っていた。
「ちょっと車とめてくれる?」
突然助手席の男が長髪の男に言った
言われたとおり車をとめ長髪の男は尋ねる
「どうした、あいきトイレか?」
「いや、ちょっとな。」
助手席にいた男あいきは車をおり、トランクの中にあったクーラーボックスからビールを2本取り出してきた。
「順(じゅん)お前飲む?」
とビールを向けた。
「いや、運転中だしやめとく」
「いいじゃん。ちょっとつきあえよ」
「いいよ、やめとくよ。ありがとう」
長髪の男に断られ、一人でまた飲みはじめる
「じゃ、先にすすむよ」
順はそれだけいうとアクセルを踏みはしりだした
あいきはラジオをいれた
「英語だからなにいってんだか…サッパリだなー」
独り言を呟きながらラジオのチャンネルを変えている。と音楽がながれはじめた
「お!この歌知ってる!」
と
歌にあわせて歌いだした。
しばらく進んでいると突然車が激しく左に曲がった
順がハンドルを左にきったからだ
車は重力によりそのままひっくり返った。
「いったー……おい!大丈夫か?」
「まぁ、なんとか」
ひっくり返った車から二人の男たちが這い出してきた。
「なにがあった?」
あいきが順に訪ねる。
「あれ。」
順は道路の方に指を指す
道路にはハンドルをきったタイヤ跡があり
そのタイヤ跡の少し前に女の子が立っていた。
それを見て
あいきは少女に話しかける
「すまねぇ!君大丈夫!?」
少し距離があったせいか声をはるあいき
「……」
少女はなにも言わず走りだし途中で消えた…
「くそ…腰いた……」
あいきは砂の上にじかに座り腰をなでていた。
「たぶんこれがこの車の
本当の持ち主の・死の原因・なんだろうな…」
順が右腕をおさえながら話しかける
「ってことはもう・この場所・は終わりってことだよな
意外に早かったな」
あいきは立ち上がり辺りを見渡す。
ひっくり返った車が一台と少しの木
そしてまっすぐに伸びたアスファルトの道が続いていた。
最初のコメントを投稿しよう!