異世界の姫

闇の住む眼

私は乾いた土とごつごつの石がころがる道に体を勢いよく打ちつけ体中に激しい痛みが走った。
でも私は心の中で喜んでいた。なぜなら私は馬車に乗ったことなんて一度もなかったし乗ってはいけないものだと思っていたからだ。

体中がすごく痛くかんじた。ここ数日左足がやけに痛く紫色に変色していたけど今感じている痛みはその痛みをはるかに超えるものだった。
私はそれでも何とか笑ってみた。笑いながらゆっくりと体を起こし、笑いながら馬車を見る。
これでよかった…、そう思っているとさっきのおじさんがあわててこちらに走ってくるのが見えた。