サヨナラとさようなら

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暖かい空気をまとい、緩やかな坂を下って見えてくる赤い家、それが茜の家だった。 いつものようにインターホンを押し、家からはいつものように茜の母さんの怒鳴り声が外にまで響き渡った。 「しまった!また寝過ごした!」の声から24分。 やっと開かずの扉だと思っていた玄関の戸が開き、茜がブレザーを着ながら、のしのしと外に出てきた。 「お待たせ!ホームルーム開始まであと何分?」 「…21秒」 「あー………家寄ってく?」
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