プロローグ

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「た、頼む。助けてくれ」 「じゃあ、その壷を置いてください。逃がしてあげますから」 一人残った山賊は、その場に壷を置き慌てて逃げ出していった。 兼光は刀を鞘へと戻して壷を拾い上げると、持ち主の家族に手渡した。 「ありがとうございます。助かりました。なんとお礼を申していいやら」「気にしないでください。ここ僕の故郷なので許せなかっただけですから」 若い夫婦は何度も兼光に頭を下げてるその隣で母親と、手をつないだ女の子はじっと彼の後ろの人混みを見ていた。 次の瞬間女の子は「後ろ危ないよお兄ちゃん!!」 というが遅く、兼光は誰かに後ろから切られてしまう。 その場に膝をついてうずくまる彼の後ろには、さっき逃げた山賊が鎌を持って立っていた。
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