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着いたのは4階の化学実験室の隣の何も書いていない部屋だった。
金属製の扉があるだけだ。
「ココ?」
「嗚呼」
「何も書いてないよ」
「でもビラは貼ってるだろ」
「この真っ白い紙?」
ソコには真っ白な紙がただ扉の真ん中に張り付けられていた。
「ならその紙触ってみなよ」
直樹と美冬は頭にハテナマークを浮かべながら紙に手を伸ばす。
「何か小さな凹凸があるわ」
「それは点字だよ」
「えっ!!でもこの紙には凹凸無いよ」
「ならその凹凸は扉のモノかな?木製の扉なら分かるけど、そりゃ金属製だぜ」
あっ!!
とちいさな声を漏らす美冬。
「それは凹凸のある厚紙の上に薄いコピー用紙を重ねているのさ。それで……」
秋風は扉の前に立つと徐(おもむろ)に扉をノックした。
コンコンコン、コココン
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