No.04 ダンス

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  「おっと!!言い忘れた」 しほりは手を叩いてマイクを再び手に取った。 「このゲームはクラス対抗戦だ!!クラス全員が抜けたら勝ち!!勝ったクラスには冷蔵庫と電子レンジの設置を約束しようっ!!」 そう言った瞬間周りの雰囲気が一変した。 皆中学校生活で必ず1度は感じた事があるはずだ。 冷蔵庫やレンジが教室にあったら……と。 「ではカードを配り、15分後にゲームを始める。ルール確認をしておいてくれ」 そうしてしほりは今度こそステージを降りた。 結局崇は何も言葉を発しなかったが、秋風はあえてその辺をスルーした。 「面白そうね」 「美冬は誰と踊りたいんだい」 「ん?決めてないわ」 「直樹くんは?」 「僕も決めてないです。秋風は?」 「俺は最初からジョーカー狙いだぜ」 「ジョーカー狙いはやっぱりいっぱい話し掛けた方が有利かな」 直樹の顎に手を当てて考える仕草が非常に可愛らしい。 「そんな事ないぜ」 「えっ!!」 「まぁ見てな」 秋風は自信満々にステージに向かって歩き出した。  
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