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明治二年(1869年)五月が終わりになり 梅雨の時期がきた。
私は今でもまっているだけなのかもしれない…
あの人が帰ってくるのを
「…分かってる もう帰ってなんてこない」
あの人。それは私の夫でもある土方歳三のこと
私はトシが言った言葉を思い出す…
《ぜってぇ帰ってくるから心配すんな》
優しい声でトシは私の頭をなでる。
ポタッ…
ポタッ…
「あれ?なんでだろう 雨でも降ってたかな?」
目から涙がこぼれるよ あぁ、会いたい…
もう一度「愛してる」って言ってよ ねぇ?トシ
「きやぁあああ!」
「な、何?」
私は女のひとの悲鳴が聞こえたので 涙を拭い向かった。
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