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会議室に入ってきた翔平に対し、宗吾は紀香から受け取ったカードを机に置いた。
翔平はカードを一瞥して小さく笑った。
「知ってたの?紀香が幹本のカード持ってること」
「知らなかった。何かを隠してるのは気づいていたがな」
「そっか」
「でもこれだけじゃない。まだアイツは何かを隠してるよ」
疲れた表情を浮かべて言う宗吾に、翔平は苦笑いをする。
「何があったか話してくれ。もう終わりにしたいんだ。事件も、紀香の不機嫌も」
宗吾と翔平の視線がぶつかる。
逃げるように反らしたのは翔平の方だった。
「……話しても、意味が無いかもしれない」
「というと?」
「握り潰される。そのせいで幹本も殺されたんだし」
「そうだとしても、どうにかする。人殺しは許さない。それが俺と紀香の信念で、父さんの信念だからだ」
強い意思を持った目が迷う翔平にトドメを刺すように射抜く。
ふふっと突然翔平は笑う。
「実はね、小さい頃から宗吾にはコンプレックスを刺激されることが良くあったんだよね。今、猛烈にそれを感じた」
悪びれる様子もなく翔平は語る。
「宗吾は強くて、絶対に曲がらない。いつも他人の顔色を伺って生きてる俺には真似が出来ないことだ」
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