山下 俊 先生

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カツカツカツ…カタン ―― 山下 俊 彼女は黒板に名前を書いた。 「皆さん初めまして。今年度から2年3組の国語を担当する山下俊です。よろしくお願いします」 ―― 山下俊(やました しゅん) 名前は男みたいだけど、教壇に立つ彼女はものすごい美人さんだった。 斜めに流した前髪。襟足につくくらいのショートカット。 化粧っけがないのにくっきり二重の切れ長の目。 でもちょっと垂れ目気味なのがまた色っぽい。 白いブラウスにタイト目なスカート。 美人で落ち着いた感じの”できる女”っぽい。という雰囲気が印象的だった。 …きっと篤にはこんな美人な女の人が似合うだろうなぁ。美男美女で絵になるだろう。 …でも篤はツンデレだからなぁ。 頬杖をつきながら彼女をぼんやり眺め、ふとそう思った。 ”篤にはこの先生みたいな美人が似合うだろう”と、親友を考える方向へシフトチェンジしていた。 膨らむ妄想の中、篤の方をチラリと見ると篤は机に突っ伏していた。 寝てるのかな? 美人だろうと新しい先生には全く興味が無いようだ。
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