293人が本棚に入れています
本棚に追加
カツカツカツ…カタン
―― 山下 俊
彼女は黒板に名前を書いた。
「皆さん初めまして。今年度から2年3組の国語を担当する山下俊です。よろしくお願いします」
―― 山下俊(やました しゅん)
名前は男みたいだけど、教壇に立つ彼女はものすごい美人さんだった。
斜めに流した前髪。襟足につくくらいのショートカット。
化粧っけがないのにくっきり二重の切れ長の目。
でもちょっと垂れ目気味なのがまた色っぽい。
白いブラウスにタイト目なスカート。
美人で落ち着いた感じの”できる女”っぽい。という雰囲気が印象的だった。
…きっと篤にはこんな美人な女の人が似合うだろうなぁ。美男美女で絵になるだろう。
…でも篤はツンデレだからなぁ。
頬杖をつきながら彼女をぼんやり眺め、ふとそう思った。
”篤にはこの先生みたいな美人が似合うだろう”と、親友を考える方向へシフトチェンジしていた。
膨らむ妄想の中、篤の方をチラリと見ると篤は机に突っ伏していた。
寝てるのかな?
美人だろうと新しい先生には全く興味が無いようだ。
最初のコメントを投稿しよう!