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視線を背後に感じた。振り返ってみるが、別に異常は見当たらない。今度は振り返った背後から視線を感じた。また元の位置に頭を戻してみる。何もない。ぐつぐつぐつぐつ煮えているお湯だけ。
「なにキョロキョロしてんの?」
真横から声が飛んでくる。真横を見てみるが、何も無かった。いや違う。微妙に視線の下の方に、静かに立っていた。
おはよう姉さん。再三言ってるけど足音消して歩かないで。心臓がヤバいから
見えなかっただけなら、まだ良い。姉の身長は低い。かなり低い。見えないだけなら良い。でも姉は足音が無い。ゆっくりゆっくり歩いているのか、非常に静かだ。
「別に足音消して無いけど、そんなにびっくりした?」
視線だけを感じる異常な現象。同じ世界に居るはずなのに、違う世界に住んでいる者のようで、少し怖い。ちょっぴり怖い。
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