時は金なり急がば回れ

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一応日本語で喋っているのだが。 なんとも、ストレートにものを言う子なんだろうか。 楽しそうに笑いながらもこちらへ向けられた眼光は鋭く 困ったように眉を八の字にしながら笑う。 「んでェ、ポチだろォ?ソイツ。」 「んー。俺のめんけ子だっちゃ。」 「...。шумный(うるさい)。よこせよォ」 「そがなこついる子はこの子、すかんよぉ?」 「...おっさんのくせに、言うじゃねェかよォ。」 ゆらゆらと、こちらに近づき手を伸ばしながら話しかけてくる 生徒を優しくたしなめるようにそう伝えると 見た目などに反して、素直らしく。 伸ばしていた手を引っ込めて、口を尖らしながら肩を竦める。 それに、うんうん、かたい子やじ。ええねぇ。 と笑いながら、今度こそ 保健室へと歩みを進めていく。 それを止めることはなく、ただ自分の回りをうろうろしながらも ついてくる生徒の様子に この子はまた厄介なのに懐かれたもんだな、とただただ苦笑いしかでない。 しかし、なぜこのついてくる生徒は 銀髪の状態の暁音のことがわかったのだろうかと 疑問と不安が胸の中にたまっていく。
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