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それは突然のことだった。
庭の手入れをしていたお爺さんに、
運悪く、風にあおられた木の枝が当たってしまい、
また当たった箇所が悪かったのか、そのまま...。
二人の少年はお爺さんが眠るベットの縁に縋るように泣いていた。
ボクはそれを眺めることしかできなかった。
本当に運が悪かったのだろうか。
偶然が、意図的に、必然へと変わってしまったのでないか。
その時、脳裏にあの階段の上にいた少年の言葉が浮かんだ。
___あぁ、ボクのせいか
冷たい箱に入ったお爺さんは、冷たい親戚に囲まれていた。
二人の少年は僕の手を握ってくれてる。
分家だの、本家だのよくわからない。
自ずと視線は落ちていく。
畳の縫い目を数えながら時間が過ぎるのを待っていると、
一際強く手を握られた。
それにつられて視線をあげる。
すると、あの日の少年が変わらぬ笑みを浮かべて立っていた。
「兄さん、やっと会えたね」
あの少年は時が止まってしまったかのように
変わらぬままだった。
笑みを浮かべてあまつさえこちらに抱き着こうとしてくる。
それを阻止しようとする二人の少年。
すると、先程とうってかわって無機質な声が響く。
「兄さんのせいになってもいいの。」
「嘘つき。」
「僕だけ居ればあそれでいいって言ってたじゃん。」
「兄さんは噓つきだ。約束したじゃん。」
「僕には兄さんしかいないのに。」
「あれもこれも、嘘つきな兄さんのせいだよ。」
壊れたラジカのようにただただ言葉を吐き散らす。
そこに感情はなく、ただただ無機質で色のない声色で
光のない瞳がボクを捉えて離さない。
あぁ...ごめんない...
________
_____
___
「.....ッ!!!!」
頭が割れそうなくらいに痛い。
てか割れて中身がこんにちわしてるかも!!
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