4人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
これはさすがに気味が悪い…、人がいないのも納得できる。
図書館だと思って入ってみれば、推理小説しかないなんて。
しかも薄暗いうえに、どこもかしこも“殺人事件”の文字…。
気味が悪いを通り越して、軽い恐怖を覚えるくらいだ。
だが、こういくつも“殺人事件”文字を見せられれば、少し不安になってくる。
“事件”…、灯りは点いてるのに、人の気配がしないのは…、何故?
気になりだしたら止まらない…、私はゆっくりと2階へと続く階段を上る。
2階には大きなテーブルといくつかのパイプ椅子があった。
本を読むためのスペースだろうか、無論…、そこにも誰もいない。
奥にはカウンターがあり、休憩室のような小さな部屋も見つけた。
カウンターの奥には扉と、コンビニ弁当のような物が入ったチルドケース。
お茶やジュースなどの飲料や、石鹸やシャンプーとかもある。
図書館の売店にしては品揃えが変だなと思ったその時、
さっきまでは冷房の音で気が付かなかったが、かすかに水の音がする。
まるでシャワーのような、勢いのある水の音が、私の耳に届いた…。
了
最初のコメントを投稿しよう!