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たまにヨロヨロしながら歩いてる。
なんとも滑稽で……笑えてくる……。
「………むぅ?」
そんな風に見ていたからだろうか?
少女が俺に気付いたらしくこっち向かって歩いて来る……。
ヤバいな……。
非常に嫌な予感がする……。
「ふぅ…ふぅ…。おい、貴様!何を見ておる!見せ物ではないぞよ!この無礼者めが!!……ふぅ…はぁ…。」
ガシャガシャ五月蝿いくらいに鎧の金属音を立てながら俺の近くで止まった少女は、肩で息をしながら俺をまくし立てた。
予感が当たったな…。
しかし笑える……。
何かの撮影か何かか?
俺は周りを見渡すがそれらしいものはいない。
「おい!何をキョロキョロしておる!我は貴様に話してるのだぞ!……ふぅ~…はぁ…。」
再び少女に視線を戻すと顔を真っ赤にしながら相変わらず俺に罵声を浴びせていた。
「ぷっ……。」
あまりの可笑しさに遂に笑いを吹き出してしまった。
「何が可笑しいのだ!許せん!手討ちに致す!」
手討ち、って……随分と物騒だな…。
少女はよほど頭に来たのか腰に差していた刀に手を掛け抜こうとする。
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