1章

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2月29日..。 4年に1度しか来ない、 美希(みき)にとっても特別な日。 冷たい風が美希の横を通りすぎてゆく。 空は鉛色。どこか淋しそうで..。 まるで美希の心を映しているかの様で虚しくなる。 イヤホンから流れ込む曲。 履いているヒールのカツカツという音が雑音の様で耳障りだ。 自分は今どこに向かっているのだろう?目的地なんてわからない。 ただロボットの様に足を働かせる。 友達ってなに?仲間って? 簡単には崩れてばらばらにならないよね? 美希は誰に答えを求めているんだろう。 自分自身に? いや、きっと自分でわからないから答えを求めて歩いているんだ。 歩き続けてたどり着いた場所..。 目の前には白い壁の校舎。 みんなと出会った小学校。 すべての始まりの場所。
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