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「ピーポー、サンタクロースが通りまーすっ」
それは救急車だよ。
「あ、間違えましたー。りんりんりんっ、りんりんりんっ」
「……」
それは本当の鈴じゃない、口先の音(ね)。
「ヒクッ…あんな親、あんな奴等…死んだら呪ってやる」
「……てっぺいちゃん。っほら見て、今年も私、サンタクロースの格好して来たんだよ」
髭は生えてないし、真っ赤な鼻のアイツだって連れてない。
「てっぺいちゃんっ」
僕がまだ幼かった頃、サンタクロースなんて信じてないのに。
僕のところには、小さくて強気な女の子、真っ赤な服を着た、サンタクロースがやってきていた。
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