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「あこの事好きっていう奴、クラスで3人もいるみたいだよ」
「…へー」
「うっわ、興味なさそ。幼馴染みでしょ君ら」
僕らは高校生になった。
「今でも仲良しだったり?」
「そうでもないよ。…俺は嫌い」
君のことを、ひたすら大嫌いって思う。
そう思うのが一番楽だから。
よく言われる“思春期”
お互い素直じゃなかった事、お互いにちゃんと分かってた。
小さい体で男にも強気で。
『あっちゃんどこ行くの』
『てっぺいちゃんは、お外にもっと出るべきなのぉ』
子供の頃はよく、俺の手を引っ張って前を歩いてくれた。
そんな、あこ。
学校でも外でも話さなくなってしまってたこの時も、君の方から俺に話し掛けてくれたんだっけ。
「てっぺいちゃん」
「…なに。あこが話しかけてくるの久しぶりだね」
「私…―」
曇り空が溢した涙は雪になって、冷たいアスファルトが黒に染まった。
18回目のクリスマス。
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