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†約10分前†
休憩所に見慣れない男が居る。
黒いコートを着た銀髪の男だ。
彼は自販機の前で考え込んでいる。
はっきり言って邪魔だ。
他にも自販機はあるが、私が欲しいコーヒーは彼の前の自販機にしかないのだ。
仕方ないので、彼が買いたい物が決まるまで待つ事にした。
――3分経過――
長い…長すぎる…
彼は微動だにしないまま自販機の前に突っ立っている。
「あの…決まらないんでしたら先に買っても良いですか?」
埒があかない。
そう思った私は、彼に声を掛ける事にした。
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