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そして、残り3つの内の1つに指をかける。
む?コイツは中々の癖者だ、ここに来て粘って来るとは。
だが戦場に比べたらこの程度、乗り越えなくて何とする!
指先一点に全神経を集中し、目にも止まらぬ速さで引っこ抜く!!
残ったのは整然と聳え立つジェンガの塔。
あまりの嬉しさに顔が思わず緩むが、再度気を引き締め、塔の頂上に手を伸ばしたハズだった…
「グアァァァァァァァ!!」
ちょび髭のオッサンが飛んできて塔が崩れ去った。一瞬で。それも目の前で。
俺は思わず膝を着く。
そして気絶しているちょび髭を見る。
今の俺の顔はどうなっているのだろう。きっと、酷く歪んだ顔をしているだろう。
俺としたことがまさかこんな所に残業を残していたとは、さっさと片づけてしまおう。
その日、三番隊隊長の部屋が紅く染まったという。
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