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「槍ぃ?」
「左様でございます。」
人買いが言うには、この槍は狙った所に必ず刺さるとか。
「ほんとにそんなスペシャルアイテムあんの~?」
「ええ、勿論。我々は嘘をつきませんから。」
確かに今までに何度か彼らと取引をしてきたが嘘をつかれた事は無い。
「流石にちょっと信じがたいかなぁ……」
「何なら手に取って確かめてみますか?普通の槍とは違う感覚を味わえますよ。」
そもそも普通の槍を持った事が無い。
「んー、まぁちょっとだけ。」
少年が槍を手に取る。
「ふーん。」
少年はつまらなさそうに槍を眺めている。
「あの女を貫け。」
「え、ちょ_」
……何も起こらない。
「お宅さぁ、商売する気あんの?」
「も、勿論でございます!相当価値のある代物でございますよ!!」
「いや、錆びた槍なんて欲しくないから。」
少年はそう言って槍を無造作に放り投げた。
「あ、ちょ―」
カランカランと音を立てて槍が地面を転がる。
その時、槍の周りに青いルーンのようなものが現れた。
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