~導かれた結論~

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~導かれた結論~

「犯人は“三沼史郎”、“尾野武次”、“加来三雄”の3人。」 「あの3人ですか、3人が共犯ということですか?」 「まぁ、そんなところね…、実際は少し違うでしょうけど。」 「構いません…、お聞かせ下さい。」 「まず、3人の誘拐…、これは多分フェイク。 恐らく、“三沼が3人を殺害した”…、計画的犯行でしょうね、事故じゃない。 そして近くに待機させといた尾野と一緒に、遺体を山小屋に運ぶ。 家の近くだったらしいから、成人男性が2人もいれば簡単でしょ。 尾野の共犯の理由は…、まぁ十中八九、お金の事ね。 身代金の1000万をちゃんと用意出来たんだから、 多分、それなりにお金を持ってたって事でしょう。 翌日、三沼が警察に通報、警察が到着する頃に尾野が身代金要求の電話をする。 多分この時点で、尾野は加来と繋がってるはず…。 でも三沼は多分、尾野と加来が繋がってる事を知らないんじゃないかな? もしかしたら、加来という男の事自体を、知らないかもしれない。 私の予想では、きっと三沼が尾野にアリバイ工作をさせたんだと思う。 逆に加来は、三沼の事を知らないから鶴田に頼んだんでしょうね。 知ってたんなら、三沼と口裏合わせたほうが、絶対安全でしょう? そういう意味では鶴田も共犯ってことになるかな? きっと鶴田もお金で懐柔されたんでしょうね。 でも多分、鶴田は計画の事すら知らないと思うから、 とりあえず共犯扱いにはしない事にするね。 つまり、事件当日は“三沼の犯行を尾野が手伝って、お互いのアリバイを”。 翌日は“加来が尾野のアリバイを”、“鶴田が当日の加来のアリバイを証明する”。 全員が顔見知りではないってところが、この作品の肝って事かな。」 「成程…、三沼と加来に繋がりが無い事が、捜査撹乱に繋がったと。 では…、三沼史郎の犯行動機は?」 「奥さんだけじゃなく、幼い子供まで殺してるって事は、 恐らく動機は“邪魔になったから”、まぁ、史郎の不倫と考えるのが妥当かな。 多分、奥さんが離婚に反対したんだと思う…、だから、子供たちも殺害した。 奥さんだけが死んだら、子供は史郎が引き取らないといけないからね。 不倫相手との再婚を考えてて妻と子供が邪魔になった…、辻褄が合うでしょ? もし三沼が実在の人物なら、その不倫相手との再婚が、動機の裏付けになる。 …まぁ、私の推理はこんな所かな。」 了
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