1人が本棚に入れています
本棚に追加
綺麗な満月が厚い雲によって隠された夜 ただでさえ暗く 足元も見えない闇の中 山頂を目指して 獣道を登る人影があった。
?「‥‥‥‥‥‥‥‥」
その人影に向かって 3匹の紫色の体毛の狼が左右後方から襲い掛かった。
だが
?「‥‥‥‥‥‥‥‥」
狼は全て 突如 虚空から現れた剣に身体を貫かれた後
?「‥‥‥‥‥‥‥‥」
人影が指を動かすと同時
再び虚空から現れた剣によって真っ二つにされ 勢いのまま盛大に血と肝を撒き散らし土の肥やしとなった。
『‥‥もう少しで着くの?』
再び辺りが静かになると
誰かに喋りかけるように声が響いた。
人影のものではない。
まるで直接耳に聞こえるかのような不思議な声だった。
その声は鈴を転がすように軽やかな、声だった。
?「そうだね。もうすぐかな~」
その声に返事をしたのは同じ声
しかし今度は人影のもの。
口調は別物だが。
?『今度は当たりかな‥‥?』
?「当人に聞けば分かるさ。
でも‥‥」
?『でも?』
最初のコメントを投稿しよう!