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あれから彼に「すこし、お互い距離を一旦開けよう」と言われてしまった。
別れる前の準備かしら?
わかった、と言いたかったけど、声に出なかったから頷いて自分の部屋に戻った。
一週間がたった。
彼と距離を置いている間も同棲しているのだから、普通に顔はあわせる。
距離を置いているといっても、ご飯は用意しとくし、別に必要最低限では会話もする。
じゃあ、なにが違ったか。
その必要最低限“しか”喋らないんだ。
距離を置く前は、彼は私になんでも話してきた。
私も、些細なことでも色んなことをはなした。
それが今はない。
凄くかなしくて、凄く辛いと思ったけれど。
次第に、晩年夫婦のようだと、思えてきた。
結婚して、“新婚”じゃ無くなったら、こんな感じなのかな?と。
そう思うと、悲しいような、嬉しいようなきもちが入り混ざった。
そして、最近気づいたことはもうひとつある。
それは洗濯をするときに気付いた。
彼のあの靴下がボロボロになってたんだ。
ここんとこ毎日履いているから、あたり前かもしれない。
そこでやっと私が本当の大馬鹿者だとわかった。
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