クリスマスプレゼント

2/4

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
あれから彼に「すこし、お互い距離を一旦開けよう」と言われてしまった。 別れる前の準備かしら? わかった、と言いたかったけど、声に出なかったから頷いて自分の部屋に戻った。 一週間がたった。 彼と距離を置いている間も同棲しているのだから、普通に顔はあわせる。 距離を置いているといっても、ご飯は用意しとくし、別に必要最低限では会話もする。 じゃあ、なにが違ったか。 その必要最低限“しか”喋らないんだ。 距離を置く前は、彼は私になんでも話してきた。 私も、些細なことでも色んなことをはなした。 それが今はない。 凄くかなしくて、凄く辛いと思ったけれど。 次第に、晩年夫婦のようだと、思えてきた。 結婚して、“新婚”じゃ無くなったら、こんな感じなのかな?と。 そう思うと、悲しいような、嬉しいようなきもちが入り混ざった。 そして、最近気づいたことはもうひとつある。 それは洗濯をするときに気付いた。 彼のあの靴下がボロボロになってたんだ。 ここんとこ毎日履いているから、あたり前かもしれない。 そこでやっと私が本当の大馬鹿者だとわかった。 .
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加