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彼が靴下を捨てるのは、ボロボロになったから。
それだけだったのに私は……
だけど、気付いてもどうすればいいかわからなかった。
それから、また一週間が経って、明日がいよいよクリスマスイブとなった。
このままクリスマスも距離を取り続けるのかな
そんなクリスマス。
きっと、恋人がいない人よりも寂しいだろうな……
明日のことを考えながら、今日はすごした。
泣きそうになった。
私は彼の事をこんなにも好きなのかとも、元彼とはこんな風にぶつかることもなかったなとか、今と昔をくらべた。
そこでまた、きづいたんだ。
―――私は、“あの人”を“元彼”としか思わなくなったことに。
その事に気づいた瞬間、目に涙がにじんでしまった。
料理の途中で、包丁を置いていたんだ。
彼が帰ってきたドアの音でいそいで涙を拭いた。
「……なにしてんの?」
彼にみられたみたい。
「な、なんでもない。たまねぎ切ってたからかな?涙が出ちゃって……あ。」
私は隠そうとしたけど、玉ねぎはまだ切っていない状態で台所にあったのをみた。
彼ももちろんみたけど、「そっか」といったきり黙った。
いつもなら直ぐに部屋に行くのに、今日は黙ったまま動かない。
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