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「……おはよ」
「……ば、か……」
体が揺すられ、目を覚ませば、そこは病院で。
目の前にはつらそうな顔で私の手を握っていた彼がいた。
後から来た医師の方によれば、精神的に疲れが来ていたかららしい。
それが私はあのときに限界が達したみたいだ。
「ごめん……」
病院からの帰り道。
彼はポツリといった。
「謝らないで?私が元々勘違いしたことが始まりでしょ?」
なぜか私はなにかに吹っ切れたように、すらすらと言葉がでた。
「いや、俺も意地をはったりして……あの時はお前に手を払われた事がショックで。」
彼の言葉。
「ごめんなさい…」
私を喜ばせるものと、罪悪感を抱かせるものにおいては抜群だった。
「あ…」
「雪?」
どうやら気絶して起きるまでに、私は一晩まるまる寝ていたらしく。
今日はクリスマスイブ。
「ホワイトクリスマスだな!」
嬉しそうにいった、笑顔をみて、私も笑顔になった。
そして、これが……
この笑顔、声、温もり、安心感が戻ってきてくれた事が、私にとっては最高のクリスマスプレゼントだと思った。
「明日さ、久しぶりに出掛けよう?今年は、予約したんだ。」
―――そう、この時は。
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