あなただけ

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『はぁ……まだ?』 「ごめんごめん!今から向かうから!ごめんって!」 私はいま電話を片手に大急ぎでお化粧やらなにやらをしていた。 今日はクリスマス当日。 昨日の彼のあの言葉に私はもちろん即答でオーケー。 そして午後六時から彼とわざわざ待ち合わせをあるレストランでした。 なのだけど…… 『あとどのくらい?』 「あと…30分くらい?」 『はぁ……ゆっくりおいで?気を付けてね?』 「うん…」 見事に待ち合わせに間に合わず、今から家を出るという始末。 遅れた理由としては、最近の心配事が無くなり、安心してしまったために、彼が出掛けたあと家事を終えるとうとうとしてしまった。 まだその時は15時ぐらいだったから、ねむっちゃったんだ。 そして起きたときは丁度6時。 急いで用意している間に彼から電話がきて話ながら支度をしていた。 ……で、いまの状況。 *********************************** 「はぁ……はぁ……つ、ついたけど…」 息を切らしながらもきたレストラン。 大雑把なみちしか教えてもらえてなくて、タクシーが用意されていて、なにも説明されずに……いざついたとこ。 そこは、私がそこまで昔ではなくとも、昔、あの人と呼んでいた元彼に――――フラれたところ 「あ、きたきた。」 「ねぇ…ここ……」 どうして?貴方には昔話したでしょ? そんな言葉を胸に、私は彼がいる店内に入った。 彼は私に笑顔を向けるだけ。 ―――少し、悲しそうだったのをこの時はわからなかった。 .
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