あなただけ

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私はただただ彼に見とれてた。見惚れてた。 だけど。 「最後に、ここに来たかったんだ。ここで終わらせたかったんだ。」 高揚してた気持ちも、彼を見ていた目もすべてが下にむかった。 彼の“最後の”という言葉で。 ついに言われると思った。 「ぃゃ……いや……いやぁぁあ!!」 気付けは、私は泣き叫んでた。 『彼と同棲が決まったとき、元カレのものはすべて要らなくなった。』 『あの指輪を外したのは、貴方に喜んでほしかったから。』 『私を幸せに導いてくれるのは貴方だと確信している私がいる』 どれもこれも、私の本心。 初めて彼に言った、私の心。 『私はぁ…!!』 「ごめん俺も、伝えことある」 泣き叫んで、もうなにをいってるのかわからなくなったとき、彼の香りに包まれ、不思議と体も心も耳も口も目もすべてがとまった。 「――――――。」 「は、い……ぅぅ…ば、か……」 続いて紡がれた言葉を私は忘れない。 涙を流しながらも彼に口移しされたシャンペンの味も、その中にあった金属も… あの言葉は、わすれられない。 私は、涙ながらに同じ言葉を彼に言った。 「クリスマスプレゼントは、あなただけです。そして一生私だけのもの。」 ********************************** 小さな可愛い女の子を見送り、きがぬけた声の主に振り替える。 「なんで笑ってんのよ?」 「いやぁ、流石親子。と思ってさ(笑)」 私だけ……私にとっては最高のクリスマスプレゼントは、そう言ってまた笑顔になった。 周囲に幸せだと訴えてるように。 fin.
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