わたしだけ?

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「なぁ。」 「……なに?」 寒いことを強調する白い息を吐き出しながら、私と彼は会話する。 「これ。クリスマスプレゼント。」 「あ。……ありがとう。」 市が作った大きなクリスマスツリーを背景に、私と彼は会話する。 「私からも、これ。」 「お、さんきゅ。」 お互いに、相手の事を思って選んだプレゼントを渡しながら、私と彼は微笑みあった。 「寒いな。今年も…… こっちこいよ。」 「うん。」 お互いに照れて顔を赤らめながら、私と彼は微笑みあった。 「来年も、来ような?」 「うん!」 藍色にも、黒にも見える夜空に、白い雪はとても映えた。 「プレゼント、迷ったんだぜ?」 「私も。」 ツリーの光で白くなった彼の顔では、薄紅色の頬は、とても映えた。 たぶん、私もだっただろうけど。 クリスマスになると、毎年繰り返されるその会話。 クリスマスプレゼントの受け渡しの度に繰り返される、その会話。 色んなプレゼントがあるけれど、恋人達が贈り合うものの定番がクリスマスプレゼントというのも、強ち間違いじゃないとおもう。 、
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