第3章 妄想世界(メルヘン・ワールド)

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「はい、これを見て下さい。」 「えっと、何々・・・ペガサス?なんだい、この絵本をリアルにしてみたみたいな報告書は。」 「はい、実に信じがたい内容なんですが・・・。」 「ペガサスにケンタウロス、こんなのが実際に存在するなんてありえないよ。」 「そうですよね。」 「こんな生き物を造ることも出来るんですか?」 「え?」 「いやぁ、こんなメルヘンチックな生き物が造れたら凄いなぁって思って。」 「ふーむ、それは無理じゃないか。」 「そうだね、そもそもそんなメルヘンな生き物の細胞がないからね。」 「え、なんでも造れるんじゃないんですか?」 「僕のあみだした技術は、あくまでも細胞の分裂を利用してるからね。」 「林原は、ある生物の細胞を増殖させ、同じ物を造るんだ。簡単に言えばクローンだ。」 「おい!」 「・・・どうした。」 「いや、なんでもない。」 「・・・君は焦るといつもそっぽを見るんだな。」 (クローン・・・あの都市伝説、うーん。)
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