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移動する時間を省いて使えるのは30分前後であり、その時間を悠々と使って自分は見て回った。
発見現場、その周辺、毎週こなしている習慣を今日もこなしてみたが、当時の事を何も思い出したりはしないいつもの成果で終わる。
ハズであったのだが。
7方向への別れ道の1つ、学校へと向かういつもの道だというのに今日に限ってはいつもと違っていた。
道路が何かの工事で封鎖されているといった日常の域を越えない変化などではない。明らかにそう、いつの間にか道が消えていたりといった非日常の類。
この2年間で毎週通っているこの道に、全くもって知らぬ長い石段が新たに出来ていたのである。
それも突貫工事をして真新しく作ったという訳でもなさそうな、汚れや風化具合からまるで昔からそこにあったかのように思わされる石段。
古風な雰囲気を出そうとした作りではなく、本当に風化している最中のような古びれた通り道。
苔(こけ)がびっしりと生えていては雨風に晒されたかのように色が剥げ切っており、新たに出来たハズなのに天然の古めかしさを感じるのはおかしい。明らかに矛盾している。
その矛盾がどうにも気になってしまい、自分は突き動かされるようにその長い石段を登って行く。
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