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18年前の私は、ずいぶんと子供過ぎていたね。
「ずっと一緒だよ!」
18年前の色褪せたアルバムの中の私は、君を抱いていて
返ってくる返事もないのに、それでも嬉しそうだった。
友達がいなかった私は、よく君相手に相談をしたね。
言葉が話せなくて通じなくても、君と私は掛け替えのない大事な友達だった。
一緒に遊んだね。
ご飯も、君が食べられるものは分け合った。
たくさん旅行もした。
子供だった私は成長し、
君も同じだけ歳をとった。
君はよく眠るようになったね。
でも、私が来ると嬉しそうに首を伸ばしてくれた。
君の時間の終わりを感じ取りながら、私は怯えていたんだ。
◇
君が倒れたのは、君が6歳で私が10代半ばの秋雨の夜だったね。
突然倒れた君に、みんな驚くことしかできなかった。
苦しそうな、泣きそうな君の目が私の胸を突き破る。
言葉を話せないから、君は身振りでしか思いを伝えられないっていうコト…
立てなくなった君を抱いて、私はただただ泣いた
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