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「よんだー?」
「よんだー?」
「よーんーだー?」
炎とともに変な小人が出てきた。トンガリフードの全身タイツ、特徴的なのはニップレス。
小人たちはぷかぷかと浮いて私を見る。一人は真ん丸な目をした頬の赤い子。もう一人は目は細く垂れたでも眉はきりっとしたアンバランスな子。もう一人は……顔を隠して床で寝ていた。
「仕事の時間だよー」
呼び掛けても返事はない。
「じじい、寝てんじゃねえぞ」
たれ目の小人が蹴りをいれると飛び起きた。その姿を見て大丈夫なのかと思うのは当たり前。けれど、そんなことより今は。
「あの人を倒して!!」
力一杯込めた思いに小人たちは魔之王を囲むとあっという間に、ギブアップをさせた。
炎の渦に囲まれたら、どうしようもない。
「勝者、六条!」
ほっとして肩の力を抜く。視界の端のダルミャルがしてやったとでも言うような表情をしていたので首に腕をかけ、絞めた。
なんとなく腹がたったのだ。だが、嬉しい気持ちは抑えられずに笑ってしまう。だって、このあとはほしいものが手に入る。
「六条、あなたの望むものは」
もちろん、それは決まっている。ほしくてほしくてたまらないもの。
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