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が、唸り声とともにドアの開く音がし、ラエルの悲痛な声が届いた。
「大丈夫。君を守るためなら、なんともない」
バタンとしまるドアが、熱気をと運ぶ。
「なんで……私じゃないの。私のどこがダメなの。ここが私のいた世界じゃないから?」
炎は、私の言葉とともに広がっていく。アパートだけじゃなく、街へ世界へ。
「なんでこんなに寂しい思いをしなきゃいけないの」
小人もダルミャルも答えることはない。
炎が世界をおおう頃涙は止まり、小人は消え、六条たちの姿も消えた。
泣き止んだ六条の目に映るのはいつもの黄色い月。
「魔之王さんとラエルに会いたい……」
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