ハッピーハロウィン

一軒目

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肩には、制服のワイシャツの上から羽織った黒いマント。
目には、真っ赤なカラーコンタクト。
で、極めつけは無理矢理くっつけた鋭い牙だ。

…ああ、その通りだよ。
典型的なドラキュラさ。
俺をいくつだと思ってんだ、あの母親は。

ちなみに、どうしてこんな格好をしているのかというと、

『おいコラそこの若いの、ポテチなんざ食ってねえで可愛い可愛い妹の面倒見やがれ。
ついでだからこれ着やがれ』

『ふざけてんのかクソババァ』

『ふざけてないからとにかく着やがれクソ息子』

『ぜってーヤダ…って、ちょ…ま、やめろ咲!!
兄ちゃんの腕を掴むな!!
動けな…って、お袋はこっち来んな!!

おお落ち着けよ、な？
は、話せばわかる…っ。
話し合い大切だぜ？
な、な？

……ゎ、こっち来んなって…やめ、や…や、やめろおおおおおおおぁああああああっ!!』

というわけだ。
女どもの見事な連係プレーにしてやられたのさ。