10876人が本棚に入れています
本棚に追加
/184ページ
「いや、言ってないし向こうからも言われてないよ。ビビらせてやろうと思ってるだけ」
同意を求めるように大野さんの方を見る。
「なー?ろくに子育てしてないツケに気まずい思いするくらい安いもんだよな」
「ろくに子育てしてないかは知りませんけど……」
そう答える大野さんに兄貴は「おや」という顔をする。
「週刊誌とかで事件の記事チェックしてない?」
「自分のトラウマわざわざほじくり返したいと思いますか?まともに外出できるようになったのもここ半年くらいの話なのに……」
「まあ、それも含めて明日話そうよ」
雑な切り上げ方をする兄貴に対し、大野さんはノーとは言わなかったし、「言えなかった」という顔ではなかった。
最初のコメントを投稿しよう!