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「南波っさ~ん……南波っさんのせいで俺が出せねーじゃねぇかよぉー」
「あマジで? うっし!」
「いやうっし! って!」
小さくガッツポーズをする南波に思わずツッコむ。が、出せない物は仕方ない。
国見はパス。とだけ呟くと次の番なのだろう、国見の隣に居た『村山 洋祐(むらやま ようすけ)』は持ってる中から一枚選んだ。
「南波、上がるなら最後に2とか出しゃ良いのによ」
そう言いながらカードを出せば順番は再び最初である本町に戻り、抜けた川下と南波以外の四人はそのままゲームを続けた。
昼休み、弁当を食べ終え授業が始まるまでの残り時間を川下たちは既に日課となっているトランプで過ごしていた。
男子五人に女子一人という光景は傍から見れば違和感があるだろうが生憎この学校に通う殆どの生徒にはその光景も日常風景。
もっとも、俺と言う一人称や男のような言葉遣いをしてる事から川下の事を女扱いする人物は片手で数える位しか居ないのだが。
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